2020年1月22日、中国武漢市が封鎖されるという情報に接してからおよそ2か月、あっという間に世界的な感染症となった新型コロナウィルス。
この小文をお読みの皆様も、ストレスを感じる日常をお過ごしのことと思います。

教授法の歴史を振り返ると、教授法イコール文法訳読法の時代は、人の移動は限られ、語学の学習が文化人の教養とされていた時代です。
大学での老教授を囲んだ小人数のセミナーで、学生が分厚い古典ラテン語のテクストを訳し、その文意について意見交換をする、といったシーンをイギリス映画等でご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
その後、人、モノ、カネ、情報の移動が盛んになると共に、語学は教養からコミュニケーション・ツールとなり、語学の学習はより実践的なものに変化し、様々な教授法が編み出され、語学留学も多様に展開されてきました。

感染症が世界的に広まり、人々の移動制限がなされ、欧州諸国をはじめとして国を閉ざす動きも加速し、語学学習者の移動制限も厳しさを増している現状にとても心を痛めております。

かつての時代と異なるのは、情報通信技術が進歩、発展を遂げていることで、Z00Mを使ってセミナーやミーティング、効果的な語学の授業も可能ですが、やはり、face to faceでのやり取りには代え難いものがあります。

この事態が早期に収束し、自由な移動が取り戻され、コミュニケーションの場が広がるよう願ってやみません。